うさぴんの郷

うさぴんの郷へようこそ。ここは自称アートコレクターのブログです。主な購入先はインターネットオークションです。

村山槐多

展覧会に行けなかったので、せめて作品集でもと村山槐多全作品集を購入した。
ボリューム感のある画集で、濃い内容だったが、疑問符がつく作品もあった。
種まく人という作品。
誰かの作品に村山槐多のサインを入れた贋作の可能性がある。
理由としてはサインの下に印が二つ押されているのと、ヤフオクで贋作などを出品しているアカウントが出品していた作品だから。
展覧会の写真を見たが、額縁の形が一致していたので間違いない。

作者不詳「風景」2

修復に出していた絵が戻ってきました。
汚れが取れて全体的に綺麗になりました。
額縁も絵と合っていたので一緒に修復してもらいました。

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全体的に茶色がかっていて、高島野十郎の作品に似た雰囲気があります。
板裏には「APORO SHIBUYA TOKYO」と読めるスタンプが押されている事から東京郊外の風景かもしれません。

作者不詳「風景」

作者不詳で、尚且つ出来の良い作品というのは見つけるのが非常に難しいです。
これもその一つ。

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なんの変哲も無い風景画ですが、高島野十郎を思わせる密度の高い描写に惹かれ落札しました。
細かく規則的な筆使いやインパストで表現された枯れ草、山の描き方、全体の印象などは高島野十郎の作品と共通する点がある。
額は雰囲気のあるもので、元額と思われます。時代的には3~40年くらい前の作品ではないでしょうか?
いづれ、絵の洗浄と額縁の修復に出す予定です。

凄くいい額縁。森馨之助?「梅椿図」

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作者不詳ですが、愛美社という美術団体に参加していた森馨之助という画家の作品と推測しています。
十年くらい前に古美術店で購入しました。その時に言われたことは「額がいい」でした。
確かに額がいいです。草土社型の額縁を思わせる丁寧な仕事です。1924年頃に静岡市内に住んでいたらしいのでその頃の作品かもしれません。支持体の木目をそのまま活かした描き方は杉戸絵や明治期の洋画を思わせます。
十年間ほったらかしでしたが、状態は奇跡的に良好です。
今度、額の掃除と修復に出そうかと思います。

浦上玉堂の話

浦上玉堂は文人画の中で結構好きな画家です。
玉堂の作品を始めて知ったのは、静岡市立美術館で開催されていた川端康成東山魁夷のコレクション展で、その時、私は蕪村と大雅の合作「十便十宜図」や古賀春江の「煙火」、それに東山魁夷が初めて買ったという長谷川利行作品を見るために美術館に行きました。
川端康成のコレクションはどれも見事な物ばかり。仏像にしても、絵にしても良い作品が揃っていました。特に平安時代の千手観音の掛仏はプロポーションが良かった。
目当ての十便十宜図は入って二つ目の部屋、掛仏や煙火と同じ部屋のガラスケースの中に置かれていました。
その隣ぐらいに浦上玉堂の「凍雲篩雪図」がありました。
圧倒的なスケール。
しばらく目の前のベンチに座りながらぼんやりと眺めていました。


それから一年くらいして玉堂の作品を手に入れました。画題は蜀桟道図です。

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夜の雪山を三人の人物が馬に乗って登っている光景が描かれています。
掠れた線はいかにも玉堂らしいですが、印章が怪しく思える点、奥行きが微妙な点など真贋についてはかなり怪しく思っています。
ただ、絵としては良いものなので気に入っています。

額縁の話

桜田晴義の『つた』という油彩画です。
靉光やボスを思わせる怪しげな雰囲気に惹かれてオークションで一昨年、落札した作品です。
絵は非常に良いのですが、既製品と思しき貧相なアルミの額縁に入っていた所為なのか、評価が低く安く落札することができました。
年記からスペインに渡った頃の作品だと思われます。

現在はこのようなアンティーク風の額縁に収まっています。

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同系色の額縁にすることで絵との一体感と絵の持つ魅力を引き出すことができたと思います。

厨子入り阿弥陀如来坐像

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木製の厨子に納められた木造阿弥陀如来坐像です。像と台座は別材から彫り出されたと思われます。
本体は僅か四.五センチほどですが、精緻な彫りにより全体を破綻なくまとめています。
表面には彩色が施されており、その上から截金による繊細な模様が施されています。
個人的にはこの仏像は快慶、もしくはその周辺の慶派仏師による仏像を縮小して写した江戸時代の作品なのではないかと考えています。
理由としては、体部の衣紋の彫りは浅く、平面的なのに対し、膝の辺りの衣紋は深い彫りであること、右襟の辺りのたるみの表現、表情、衣が通肩であること、小さいながら造形に破綻がないことが挙げられます。

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光背と台座は金泥塗りで、光背は金泥の上から彩色を施しています。
蓮弁はほとんど剥がれてしまっています。
厨子は木製で、外面は漆箔。内部は漆箔又は金泥塗りです。内部の方が赤金で、外面は青金のように見えます。
厨子上部の紐を通す為と思われる金具や大きさから、裕福な人が注文した携帯型の念持仏だと考えられます。