うさぴんの郷

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村山槐多考

村山槐多の新発見作品、最初は非常に怪しく思えていた。贋作が多数紛れ込んでいると思ったからだ。

贋作と言っても無銘の古い絵に後からサインを後付けしたもので、それなら作風がバラバラというのも納得出来るのだが、村山槐多に似た無銘作品がそこら辺にある様には思えないのでやはり違うのだろう。

(余談だが、新発見作品のカンナよりもなんでも鑑定団で贋作とされたカンナの油彩画の方が槐多っぽい気がする。)

ただ、疑念作品が何点かあるように思えた。来歴の観点から言えば、「種まく人」という金地絹本に描かれた水彩画だが、これは、gentoushyaというアカウントが20102月に出品した作品と同一のもので府中美術館のバルビゾンのなんとかと言う展覧会にも出ていたような気がする。

サインの下に印章があり、金地絹本に描かれた作品を潰してその上に描いた作品か、誰かの作品にサインを加筆したものかはわからない。

ただ、お金のなかった村山槐多が別人の絵を潰して描いたという可能性も考えられるが

ほかに初期のパステル画群であるが、gentoushyaと物故堂というアカウントが出していた黒田清輝長谷川利行、李仁星、青木茂の素描作品とタッチや雰囲気、作品の保存状態などが非常によく似ていた。まるで、一枚の児童画を切り貼りした様な印象であった。

何点かは画集に掲載された作品と同じ場所を描いたのではと思われる作品もあった。

例えば、村山槐多の信州風景(全作品集No149)というコンテデッサンであるが、物故堂が出品した李仁星の素描作品と微妙な差異はあるが非常に良く似ていた。


ちなみに私は物故堂から村山槐多の素描作品を購入している。

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出どころは村山槐多の同級生の家で、画題は信州風景である。